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小剪刀手術の術後と再手術

中医で小剪刀の手術を受けて2日後、やはり15分くらい歩くと腰椎椎間板ヘルニアによる腰の痛みと共に左の臀部から太ももの裏、足先にかけて坐骨神経痛の痛みや痺れが出て歩けなくなってきます。(小剪刀とは手術器具の名前で手術方法ではなかったようです。正式な手術の名前が中医のため判らないので、そのまま小剪刀として記載しておきます)

3日後にウー医師へ中国人の友達に電話で連絡してもらい、前回の小剪刀の手術後も痛みなどの症状が改善していないことを伝えてもらいました。

この時、訪中から約3週間が過ぎていて、あと1週間で日本に帰国する日がやってくる時期でした。

こちらに来る時、飛行機や車での移動で辛かったので、何とか帰国日までに痛みだけでも止めて欲しいとお願いすると、別の部位に小剪刀の再手術をすることになりました。

更に3日後、帰国2日前に手術の為ウー医師のところへ行きました。

前回と同じく手術費用の75元を支払い、小剪刀を始めます。

腰や臀部、太ももの付け根などを指圧の様な触診をして特にツボを圧迫した時の様な痛みの強い場所を探していきます。

今回は左の臀部と腿の間くらいのところから小剪刀(手術器具)を刺しこむことになりました。

以前、見学させていただいた時のおじさんが、術後にはすっと歩いて帰っていたので、もう一度期待を込めての治療です。

小剪刀の手術は無事終了。ウー医師もこれでかなりマシになるだろうとおっしゃていました。

結果は手術後、前と同じように劇的な変化は感じられないまま、帰宅。

次の日、さらに次の日も今までと変わらずというか、逆に心なしか悪化したような感触でした。

まあ、術後と言うことであまり出歩かずにじっとしていたから、悪化したかどうかはハッキリとわからなかったのですが、改善したようには全く感じませんでした。

その時は小さいとは言え、痛みと恐怖を堪えて手術までしたのに腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の症状が改善しないことに落胆していました。

そして、中国の病院ではやはり治らないんだ、日本に帰って整形外科できちんと治療してもらおうと思っていたのです。

結果的には小剪刀の手術は私には効果がありませんでした。

しかし、非常に安い治療費だったこともありますが、ウー医師が一生懸命、対応してくれたことには感謝しております。

不安を持っている私に手術を見学させてくれたり、言葉が判らないのですごく手間が掛かっただろうに出来るだけ丁寧に何度も説明してくれたり、手術の緊張をほぐすために音楽を掛けてくれたり、と本当に良くしていただいた彼の人柄で私はこの件で不満を持つことはありませんでした。

治らなかったのは残念ですが、後悔はしておりません。

明後日には帰国ですので、また残っている痛み止めのリリカSとロキソニンでしのぎながらの帰国となるのでした。

ちなみに、これが私の受けた唯一の手術で、これまで、そして現在受けている治療は全て「保存療法」と呼ばれている医療法です。

小剪刀という中医の手術を受ける

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の痛みを取る為に受ける手術の名前は中医で「小剪刀」と呼ばれる術式だそうです。(小剪刀とは手術器具の名前で手術方法ではなかったようです。正式な手術の名前が中医のため判らないので、そのまま小剪刀として記載しておきます)

この時期の私の腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の症状は、以前よりも悪化していて、腰も痛いのですが、それよりも15~30分ほど歩くと左側の臀部から脚(太もも、膝裏、ふくらはぎ)にかけてひどい痛みが発生しその方が辛かったのです。

また、しばらく座っていたり、横になったりしていると痛みがなくなり、また15~30分ほどは普通に歩いたり動いたりすることが出来ました。


で、予定通り2日後に病院へ行きウー医師の元へ。

前回書いた様に麻酔なしで器具を刺すことの痛みへの恐怖を思いドキドキしながら治療用のベッドに横たわります。

そして手術に使う器具(小剪刀)を刺す場所の確認をします。

腰から臀部にかけて色々な場所を指先で圧迫し、一番痛い場所を探っていきました。

今回は左側の腰と臀部の境で背骨から10センチほど外側から刺すことになりました。

手術用の布を掛けて消毒。いよいよ手術が始まります。

私の不安感を和らげようと、ウー医師は自分の携帯を取り出し、中国の少し安らかな感じがする歌を掛けて私の頭の近くに置いてくれました。

前回も少し書いていますが、直径4,5mm×長さ15cmくらいで先端に平刃のついた手術器具(小剪刀)を刺し、体の中を探りながら押し込んでいきます。

私の感覚で場所を確認して最後の一押しをして手術は終了します。

通常の痛みの場合は取り敢えず我慢です。

ピリッと神経を刺すような痛みの時、これは神経を切断してはいけないので器具を一旦止めて進める方向を変えなければなりません。

ツボに入ったときの様なズンとくる痛みの場所が最後の一押しの場所です。

医師:「今はどんな痛みですか?」

私:「普通の痛みです」

医師:「今はどうですか?」

私:「ちょっとピリッとします」

というような具合で場所を確認しながら体の中にグリグリと器具を刺していきます。

医師:「ここはどんな痛みですか?」

私:「ズンとした痛みです」

医師:「では行きますよ」

「ボン!」という何かが体の中で弾ける様な小さな音が聞こえました。

小剪刀(器具)を抜き消毒をしてバンドエイドを貼ってもらいます。

この時、この手術の原理がやっと判りました。

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛でも他の理由による腰痛でも同じなのでしょうが、

1)腰痛も神経痛も筋肉が緊張し、凝り固まって血行が悪くなっているのが原因です。

2)筋肉はちょうどゴムの束のようになっています。

3)だから、そのゴムの束の一部を切断して筋肉の引っ張る力を弱めれば痛みが治る。

と言うことのようです。

確かに、先日まで行っていた鍼治療や温熱治療、漢方薬なども、ツボを刺激したり温めたりして筋肉の緊張をほぐすことで治そうとしていました。

小剪刀の手術はそれをもっと強引に筋肉自体の一部を切断することで行う手術だったのです。

ですから最後の一押しの時に張りつめていた筋肉が切断され「ボン」という弾ける様な音が出たのです。

あと不思議なことに手術の痛み自体は思ったよりはマシで、まあ十分我慢できる範囲でした。

15分ほどして足の曲げ伸ばしをして術後の確認をしました。

しかし、最初の方で書いた様にしばらく横になっていると、痛みが無くなるので、手術で痛みが無くなったのか、寝てたら痛みが無くなったのかがハッキリわかりませんでした。

医師:「とりあえず、今日一日はあまり動かず、ゆっくりしていてください。」
    「シャワーは三日後から浴びてもらって結構です。」
    「多分、これで問題ないと思いますが、あなたの場合は痛みの範囲が広かったので、もしかすると更に1,2か所の手術が必要になるかもしれません。」
    「様子を見て痛みがまだあるようならいつでも私の携帯に電話してきてください。」

ということで、その日の小剪刀の手術は無事?終わったのです。

中医の手術を見学

中医の手術を見学させてもらうために朝から病院に行きました。

ウー医師から30分ほどしたら手術を受ける患者さんが来るのでそれまで待合の椅子で座っていてくれとのこと。

その患者さんは日常的に足腰が痛くてびっこを引きながらしか歩けない、50歳代の男性だそうです。

手術自体は昨日見た治療ベッドの並んだ部屋でするそうです。

表に「手術中」と赤いランプのついた手術室でするわけではなかったんですね。

そこに入れるのかと言う期待感もあったので、ちょっと残念と言う気持ちと、反面、それほど大がかりな手術じゃないんだという安心感とが入り混じったような気持ちでした。

まあ、どんな治療にせよ、他人の治療風景を見せてもらえるなんて、日本の病院ではまず考えられないおおらかさですよね。

私が中国人じゃなく、言葉もわからない日本人だから特別だったのかもしれませんが。

しばらくすると、患者の男性が娘さん?に付き添われながらやってきました。

治療台に患者を寝かせて、診察、手術の開始です。

ウー医師は患者の足を持ち上げたり、痛みのツボ?を確認するために指であちこち押したりしながら私に対して言葉とゼスチャーで説明を始めました。

「この人の足は今、ここまでしか曲がらない。そしてこうすると痛みを感じている。これを覚えておいてください。今からの手術でこの症状を治します。実際に見たら怖い手術じゃないと判りますよ。」

そして手術用の手袋をして、、先ほど押しながら目安を付けた臀部の場所に合わせて丸く切り抜いた手術用の布を掛けてから消毒薬のついた脱脂綿で消毒し、そしておもむろに10センチ×20センチくらいの金属製の箱を取り出しました。

中には消毒薬の付いたガーゼに乗せた金属製の細い棒状の道具が4,5本入っていました。

長さは15センチくらい、太さはちょうどボールペンの芯くらいのまっすぐな金属棒です。

そして片側の先端が刃長5mmくらいの彫刻刀の平刃のようになっています。

どうやらこれだけが手術の道具で、この金属棒を患者さんの臀部に刺すようです。

「麻酔は使わないんですか?」と尋ねると、「必要ない。まあ、黙ってじっくり見ていなさい。」とのこと。

そのまま患部にブスッと刺しはじめました。

後で教えてもらい、その時は知らない中国語だったのですが、
手術棒をぐりぐりと探るように動かしつつ刺していきながら
医師:「ここはどんな痛みを感じる?普通の痛みか?ビリッとする痛みか?ツボを押された時の様なズンとした痛みか?」

というのを聞きながら、患者の方も

患者:「そこは普通の痛みだ。そこはちょっとビリッとする。あ~そこはズンとした痛みだ。」

医師:「よし、ココだな!」

といって更にグイッと金属棒を差し込みました。

消毒からこの間、約10分ほど、これで手術は終了です。

後は傷口を消毒して普通のバンドエイドみたいなのを貼って、患者さんにしばらくそのまま寝ている様に言って手術用の手袋を外しました。

しばらくして、最初の診察時と同じ様に患者さんの足を持ち上げたり曲げたりすると、先ほどは少し曲げただけで痛がっていたのですが、かなり大きく曲げられるようになっていました。

そして、来る時にははっきりと判るくらいびっこを引いて歩いて来てたのに、帰りは注意して見なければ判らないくらい自然な歩行で帰っていきました。

医師:「どうです。治るでしょう。痛みも改善していますよね。」
    「安心しましたか?もし安心したなら貴方もこの手術を受けますか?」

私:「はい、痛そうだしちょっと怖いけど、私もこの手術を試してみます。」
 
   「手術費用はいくらくらい用意すればいいのですか?」

医師:「では、明後日の朝、手術をしますので来てください。」
    「手術費用も安くて、1回75元(当時のレートで約1200円)です。」

中医

中医でする腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の治療の話を聞きました。

2週間続けた鍼治療と漢方薬の湿布や飲み薬の効果が無く失望している時に、今度は中国人の友達がまた別の病院に良い中医のお医者さんが居るよと言ってきました。

なんでもその友達のお母さんが私と同じように腰痛と脚の痛みがあったそうですが、その中医の病院で治療してもらったら1回の治療で痛みが治ったそうです。

治療法についての彼の中国語はあまり理解できませんでした。

しかし、腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の痛みを止めないと仕事にも私生活にも影響が出ていましたし、既に一回、中国の病院を体験しているので度胸が付いたのでしょうか、取りあえず治るなら試してみようと思いその中医の病院に連れて行ってもらうことにしました。

今度はマンションからタクシーで15分くらいの近い場所にある小規模な総合病院でした。

前の病院でもそうでしたが、中国の病院では「中医」と言う、主に鍼治療や漢方などを主体とした、日本でいうなら鍼灸院と按摩と整形外科を足したような治療科があるようです。

中医では私の様な腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛やその他の骨格の問題やねん挫、その他の神経痛やリュウマチに限らず各種の痛みや婦人病などの症状を中国医学的な治療法で改善したりしているようです。

通常、日本である内科、外科、耳鼻科・・・と共に中医という治療科があります。

こちらの病院でも中医に3人の医師が居て、その中でウー先生と言う医師が腰痛や神経痛の治療が上手と言うことでその先生に診てもらうことになりました。

今回は通訳が居ないので腰が痛いことや歩くと足が痛くなることなど大体のことを友達からウー医師に伝えてもらった後、先日の病院で撮ってもらった腰部の背骨のMRIの画像写真とその時の診断書を渡して見てもらいました。

そして診察台に乗るよう言われ、中医の医師に足を上げたり横にしたり、腰を触診したりしてもらいました。

その結果、何か簡単な手術をすると言われました。

しかし、腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の中医の手術の方法や内容についての中国語が私にとっては難しくて理解できませんでした。

・簡単な手術で入院せずに即日帰れる。
・手術自体は15分くらいで済む。
・今まで同じ治療を数百人の患者さんにしたことがある。

ということまでは理解しましたが、具体的な治療法については聞き取れなかったのです。

中国では珍しく非常に親切な医師で、一生懸命説明しようとしてくれてはいたのですが、「中国で手術」となると心配でたまりませんでした。

私は中医の手術の内容が理解できていないし、不安があるというのを片言の中国語で伝えました。

するとウー医師が、
「じゃあ、明日の午前中に同じ手術をする患者さんが居るから、その時に来て手術の様子を見たら良い。実際に見たら安心するだろう。それから手術を受けるかどうか決めたら良いよ。」
とのこと。

ではそうさせていただきますということで、ウー医師の手術を見せてもらいに再度明日、病院に来ることになりました。

そこの中医科では私の診察中にも多くの患者さんが来ていて、10台くらいの治療ベッドと首や腰の牽引治療の機器などがあり、鍼治療をしている方、電気治療、温熱治療、「気球」と呼ばれるガラス製のカップの内部の空気を暖めて真空にし腰や肩を吸引する中国式の治療を受けられている方、お灸の治療を受けている方など、色々な患者さんが居ました。

鍼治療を続けるが効果なし

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の治療のため、中国の病院で鍼を打ってもらいに通院を開始して十日ほど経っても、一向に痛みの改善は見られませんでした。

始めての鍼治療と漢方薬の治療で、中国なんだしっとすごい期待をして通院していたのですが、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛ともに悪化こそした感じはありませんが改善している感じも全くないまま、最初に副院長先生が言った二週間という日数が過ぎようとしていました。

医師に尋ねてみると「あなたの症状は重症です。

さらに一週間ほど続けてみて改善しない様なら手術をした方が良いかもしれません。」
と言われてしまいました。

さすがに中国で手術、入院となるのは心配です。

こちらの病院に連れてきてくれた友人に聞いても手術をするなら日本の病院でする方が安全だとも言っていました。

まず、言葉が通じにくいのも問題です。

私の中国語のレベルは非常に簡単な日常会話ですら怪しいレベルです。

仕事の時は通訳さんに同席してもらえるため、トイレはどこですか?とか、これはいくらですか?
程度がやっと話せるくらいです。

ですから医療用語なんかはわかりませんし、単に痛いとは言えても、どんな痛みなのかまでは医者や看護婦に伝えることができません。

神経を刺す様なピリピリした痛み、傷口の様なズキンズキンする痛み、ツボを刺激した時の様なズンとした痛み、筋肉が痙攣した時の様な痛みなどを的確に伝えることができないのです。

最初に受診した時に2週間分の治療のチケットを前払いで買っていたので、取り敢えずそこまでは治療を続けようと、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状の改善もなく少し失望しながら残りの数日の通院と治療を続けていました。

結局最後まで続けたけど、通院の移動で往復2時間近くを使い、鍼治療、高周波治療器、温熱治療で2時間、毎日合計4時間あまりを掛けて、何の治療成果も無いまま通院が終わりました。

今回の受診の成果は、私の状態が腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛であるということが判明したことと、腰部のMRIの画像写真が手に入ったこと、そして初めての中国病院を経験したこと、同じく初めての鍼治療と中国での漢方薬を経験したことというくらいでした。

あと、せっかく紹介して頂いたのに効果が無かったということで、ほんの少しですがお互いに残念な気持ちが残りました。

これを皮切りに、中国、日本双方での色々な病院や治療法を試すことが始まって行ったのです。

それでもまだこの時はまだ何とかなると思っていましたし、もしかしたら時間経過とともに勝手に治るのではとの淡い期待も抱いていました。

鍼と漢方薬(湿布と飲み薬)

鍼と漢方薬(湿布と飲み薬)について少し補足説明をしておきます。

この時使った鍼は全て使い捨ての鍼で、一本ずつビニールの密封パックに入っていたのを使っていました。

長さは約10センチくらい、太さのサイズは何ミリかわかりませんが、テレビなどで見る物とほぼ同じくらいの太さでした。

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛なので鍼を打つツボ(場所)は腰の部分に背骨を挟んだ両側に各二本ずつ、左側のお尻のえくぼ付近に一本、下尻に一本、太腿に一本、膝の裏辺りに一本、くるぶしの下側の辺りに一本、ふくらはぎの上の方にあるツボに一本の合計10本くらい打つことが多かったです。

多分それぞれが腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の痛みに効くツボに打っていたんだと思います。

しかしこれも日によって少しずつ打つ鍼の本数が増えたり減ったりしました。

大抵は副院長先生に鍼を打ってもらうのですが、時々他の医者に打ってもらうこともありましたし、同じ医師でも少し変えることがある様でした。

また同じツボに鍼を打っても毎回微妙に刺す位置が変わるせいか、私の体調や痛みの感じ方が変わるせいかは分かりませんが、鍼を刺す時に感じる痛みの具合やツボに電気を通した時の刺激の強さが毎回違いました。

自分の感覚としてはツボに大体近い所に鍼を打っておけば後は電気で刺激を送るのでその周辺までほぐれるでしょっという感じなんでしょうか?

以外と適当な場所に打ってもOKなものなのではという感じです。

漢方薬の湿布は20センチ×15センチくらいのガーゼに、どす黒いペースト状の漢方薬をヘラでベトっと付けて延ばし、それを腰に当ててテープで止めて固定します。

貼った後、約4時間で剥がします。

漢方独特の臭い匂いがあり、地下鉄に乗っている時は他の方に顰蹙を買っていないかと心配でした。

数時間経つとだんだんと乾燥してきて、剥がす頃には乾いた泥の様になっています。

時々、ガーゼを通り越して黒い汁がシャツまで沁みてくることがあり、シャツにシミが付いたこともありました。

多分、腰を冷湿布の様に冷やしたり、皮膚から染み込む漢方の有効性分で治す様な薬なんだと思います。

飲み薬の漢方は液体で、ドス黒い泥水みたいな色をしています。

一回分ずつ小分けのそう麺つゆみたいなビニールのパックに入っていて、それをカップに入れて電子レンジで温めて飲みます。

これがまた臭くて苦くてまずいったら、どうしようもないものでした。

一回分が約150ccくらいありますので一息では飲めない量です。

正露丸とまずい青汁をお湯に解いた様な味と言うんでしょうか、これまでの人生で口にしたものの中で最も臭くて不味い飲み物でした。

この漢方薬を毎日二回飲むのは本当に苦痛でした。

錠剤か何かで一息に飲める日本の漢方薬みたいなのもあるには有る様ですが、
こちらではこのまずい漢方薬をみなさん飲んでいる様です。

この飲み薬は血液の循環をよくして脚の血行を改善し坐骨神経痛の痛みを和らげたり、腰椎椎間板ヘルニアの患部の炎症を抑えたりする効果のある漢方薬が入っているそうです。

通院で鍼治療と漢方薬

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛との診断を頂いて、鍼治療に取り敢えず2週間は毎日通院することになりました。

翌日からは一人で病院に通い、高周波治療器(多分)で腰を約30分、温熱治療で同じく腰を約30分、そして鍼を打ってもらい電極につないで刺激する、最後に腰に漢方の湿布を貼ってもらい帰る。
自宅では一日二回、漢方薬を飲む。

これらの治療を2週間以上続けるのです。

自宅から少し病院まで遠いので、毎日タクシーとなるとやはりお財布が大変ということで地下鉄を乗り継いで約1時間くらいを掛けて通院していました。

初めて受診してしばらくの間は、自分の痛みの症状が腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛だとはっきり解ったこと、そして治療方針がきちんと解って、これでしばらくすれば痛みも無くなり回復して以前と同じ様に生活出来るだろうという安心感、そして実は鍼治療も漢方薬も初めてだったので効果の出方が判らなかった。

ということで、何の疑いも無く「医師の指示通りにして毎日通院し治療をしていれば腰椎椎間板ヘルニアも坐骨神経痛も日に日に良くなって行くんだ。」と思っていました。

またこの時点で私が受けた腰と脚の痛みの原因についての説明は、
腰の部分の背骨にある椎間板が飛び出して、脊椎の中にある神経を圧迫している。

その為、腰が痛くなっているとともに、臀部から脚につながる神経にも異常をきたして、私の場合はその痛みの症状が左足側に出ている。

痛みの出ている原因でもある筋肉の緊張をほぐし、神経が感じている痛みを抑える為の鍼を打つことで治療していき、合わせて痛みの為に起こっている患部の炎症を漢方薬で抑えて治していきましょう。

ということでした。

この時期にはまだ私の場合の本当の原因と、自分に合った治療法はもちろん、腰椎椎間板ヘルニアの他の治療についての知識も坐骨神経痛の痛みの発生メカニズムも知らなかった為、早く治らないかな〜と思いながら何の疑いも無く通院していました。

鍼治療に関しての感想は、腰やお尻、脚などに鍼を刺す瞬間はあまり痛くないのですが、ツボ(?)に届いた瞬間にビリッという痛みを感じます。

その瞬間だけが嫌でしたね。

あと、電極を繋いで刺激を送っている時は強弱を調整して貰っているのでそれほど痛くはありません。

腰やお尻、脚の筋肉がランダムに送られてくる鍼からの電気刺激でビクンビクンと反応していました。

この時期の痛みの出方は、約30分くらい立ったままだったり歩いたりしていると臀部から脚まで痛みが出てきて、足先がしびれた様に感じていました。

腰はずっと違和感があり、しばらく同じ姿勢でいると腰が伸びるまでにウッという感じでした。

しかし、数分間くらい座って休憩すれば、またボチボチ歩ける程度までは回復するし、寝ていれば痛くもなかったのです。

だから治療の際は鍼、電位治療、温熱治療ともに寝てますので、通院で病院に着いた時には少し痛くなってるけど、治療中は寝ているので回復して、家に帰り着く頃にはまたほんの少し坐骨神経痛で脚が痛いかなという感じでした。

中国の病院で腰椎椎間板ヘルニアの治療

腰椎椎間板ヘルニアの治療で、初めて中国の病院に行くことになりました。

私の腰痛を気遣ってマンションまで友人(中国滞在の日本人)と、通訳の中国人が一緒に迎えに来てくれて友人がぎっくり腰の時に行った総合整形外科?へタクシーで向かいました。

友人は昔から度々、ぎっくり腰などで腰痛に悩んでおり、色々な病院に行った中で今回連れて行ってくれる病院が一番良かったということです。

まずは診察室で問診、診察台の上に乗って脚を持ち上げたり横にしたりと触診をされました。
MRI検査と血液検査をする様に言われ、別棟でそれぞれの検査を受け、結果が出るまで約1時間ほど病院の中庭で待ちました。

MRI画像写真と血液検査の結果表を貰って、再度診察室へ。

血液検査は問題無かったのですが、MRIでは第4、第5の腰椎椎間板ヘルニアで坐骨神経痛も併発しており、特に第4が悪いとの診断を受けました。

今頃なんですが、実はこの時初めて自分が腰椎椎間板ヘルニアだと解ったのです。

ちなみに友人の計らいで私を診察してくれたのはこの病院の副院長でヘルニアに関してはこの副院長が一番の名医とのことでした。

で、早速、治療をするとのこと。

まずは高周波治療器(多分)で腰の電位治療を約30分。

その後、温熱治療を同じく約30分。

それから鍼治療でした。

鍼を腰や臀部、左足の太腿、膝、ふくらはぎ、足首と私が痛みを感じる部位のツボに10本くらい次々に刺して行きます。

そしてその内の6箇所に電極を繋ぎこれも同じく約20〜30分くらい電気を流して行きます。

最後に腰に漢方の湿布を貼ってもらい、液体の漢方薬を支給されてその日の治療は終わりました。

この時期は腰の違和感があり、しばらく歩くと腰から左臀部、左足へと痛みが出てくるという感じで、数分間くらい座って休憩すればまた痛みが治まってしばらく動ける様になるという状態でした。

治療後、医師からは2週間くらいは毎日続けて通院するようにと言われてこの日の治療が終了しま
した。

感想としては少しマシになったような気がするかな?くらいでしたが、MRI検査などで調べてもらい腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛だったということがはっきりしたのが収穫だと思いました。

ちなみにここからは蛇足ですが中国の病院事情を少し書いておきます。

この時私が行った病院は骨折や椎間板ヘルニアや椎間板狭窄症、捻挫など骨や関節などの治療を専門に行ってくれる病院でした。
設備、規模ともにそこそこ大きな病院で、医者だけでも50人くらいは居るようです。

私は海外旅行保険でやってもらいましたが、中国では全ての診察や治療が前払いなので、診察の前に診察費を払ってその領収書を持って行くと診察してもらえ、検査が必要だと言われれば、また検査費用を払いに行って検査をしてもらう、診断結果が出て治療方法が決まったらまた治療費を払いに行って治療をしてもらう、薬を出してもらうのにまた支払いに行って、、、、、、、という風になっていました。

あと、この病院だけかもしれませんが、鍼治療で2週間、毎日通院するのでまとめて2週間分のチケットを買って、次回以降、毎回上記のような手間暇がかからないようにするシステムになっていました。

この辺の支払いは全て通訳さんにやってもらい、全部で約2900元(当時のレートで約5万円強)の治療費でした。

衛生面ではやはり日本よりは雑で汚いですが、まあ問題ない範囲でした。

鍼は使い捨てタイプでしたので一応問題なし。

医者以外の看護師や受付などは、一応仕事はしますが日本の様な白衣の天使とはいかず、白衣の無愛想な作業員という感じでした。

腰痛と脚の痛みを抱えたまま中国へ

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛(この時はまだ自分の症状の病名を知らない)を患った状態で関西国際空港から中国へ渡航する日が来ました。

腰痛予防の為に先日買った腰から骨盤に掛けてサポートするコルセットを着けて、内科医で貰った痛み止めのリリカSとロキソニンを服用し、その時考えられる痛みへの準備をして出発。

妻に無理を言って、いつもなら空港バスで行くところを自家用車で空港まで送ってもらいました。

関空で別れて搭乗手続き、出国手続き、搭乗ゲートへと、30分くらい列に並んだり歩いたりで移動。

ちょっと脚腰に痛みというほどではありませんが違和感を感じ始めただけです。

「回復しつつあるのかな?ちょっと高かったけど腰痛用のコルセットや痛み止めが効いてるのかな?」

搭乗までまだ時間があったので、ちょっと恥ずかしかったですが少しでも痛くならないように待合室のソファーで横になっていました。

そして飛行機に乗って30分くらい、腰と脚に違和感が出始めました。

その日便はほぼ満席。隣にも他の方が居られるのであまりモゾモゾと動くことも出来ません。

さらに30分、食事が始まりましたが痛みが出始めて少し辛くなって来ました。

食事を片付けて貰ってからはどうも座りっぱなしでいるのは辛かったので意味もなくトイレに行ったりして背中を伸ばしたり機内をウロウロして痛みを誤魔化して我慢。

飛行機の中はあまり動き回ることが出来ません。

着陸する頃には1分1分が長く感じる様になっていました。

これ以上歩きたくはなかったのですが、入国審査、荷物の受け取りと脚腰の痛みを堪えて表に出た時にはもう動けませんでした。

そのまま椅子に座って休憩してから、いつもならバスでマンションに行くのをやめて、タクシーで行きました。

その夜はもう動きたくなかったので、買い置きしていたカップラーメンと冷凍の包子を食べて寝ました。

予定では按摩に行って足腰をマッサージしてもらうつもりだったのですが、約半日の移動で疲れ果ててしまいました。

嫁と知り合いに中国へ到着したことを連絡しました。

私「いやー、腰の調子が悪くて〜〜〜〜〜〜(現在の症状を説明)」

知り合い「もしかしたらヘルニアじゃないですか?私もなったことがあります。ぎっくり腰になったことがあるんですが、腰痛って辛いですよね。私が治った病院を知ってますので、お連れしましょうか?」

私「中国で病院に行くのは抵抗があって今まで受診したことがないんです。大丈夫ですか?どんな治療をしますか?」

知り合い「中医なんですが、MRIなどの検査をして、もし私と同じ症状なら鍼と漢方薬での治療になると思います。明後日で良ければご案内しますよ。海外旅行保険適用治療でいけますので、治療費も気にしなくて良いですよ。」

私「よろしくお願いします。」

ということで、後日、腰痛と脚の痛みの治療の為に中国で病院に行くことになりました。
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